「白井研究室通信」 第11号(2011/5/14発行)

「白井研究室通信」 第11号(2011/5/14発行)

 3月11日に発生いたしました東日本大震災におきましてお亡くなりになられた方々に、お祈り申し上げます。被災された皆様、被災地において災害支援・復興活動にご尽力されている方々にお見舞い申し上げます。
 長らくお休みしておりました白井研究室通信ですが、震災から二ヵ月という節目において、復刊いたします。学生の学びの機会、活動の手を緩めるわけにはいきません。今後の未来のため、社会の中心となっていくためにも、活動を続けたいと思います。
 なお、今回の白井研究室通信は3月号中に修士の加藤匠が編集を進めていたものですが、休刊により、一部の情報について時期を逸しておりますことをお許しください。


■--INDEX--■
1. 幻のITシンポジウム
2. 幻の芸術科学会
3. インタラクション2011&震災体験報告
4. 震災の本当の姿
5. 秋葉原UDXでの神奈川工科大学 情報学部情報メディア学科 成果発表会 中止
6. 白井研究室トレーニング
7. IT夢コン募集開始
8. フランス「Laval Virtual」に挑む!
9. 震災で再発見したネットメディア活用
10. 「科学のひろば」開催
11. 震災に寄せて
編集後記
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1. 幻のITシンポジウム(加藤匠)
 3月12日(土)に開催を予定していた「ITを活用した教育シンポジウム2010」は、11日(金)に発生した東日本大震災の影響により、中止となりました。白井研からは匠、岩楯の2名から論文が投稿されていました。それぞれタイトルは 以下のようになります。 

  ・匠:「抽象的なアニメーション作品視聴に対する加速度センサを用いた
      自然なユーザ解析手法の提案」
  ・岩楯:「測域センサを用いた体験教育環境の物理的評価」

 修士中間発表や卒業研究と同時並行で準備を重ねてきただけに、発表の機会を失ってしまったのは残念です。しかしITシンポジウムに向けた論文執筆にあたり、今までの学習内容を整理でき、理解を深めた機会であったことは間違いありません。Sustanimeプロジェクトの内容を含んでいた前者の論文では、ここではまだ紹介できないような新たな知見も得られました。近々、iPhoneを使って、また新しいプロジェクトが産声を上げるかもしれません。


2. 幻の芸術科学会(山本)
  3月25日に開催が予定されていた、芸術科学会主催の「NICOGRAPH 2011 春季大会」は3月11日に発生した東日本大震災の影響により、中止となりました。白井研では、山下、山本、荒原の3名が一般論文部門に投稿、採択され、以下のタイトルで発表を行う予定でした。

  ・山下:「感圧センサを使った感覚運動インタラクションのための
        自然なプレイヤ分析アルゴリズムと評価」
  ・山本:「クリーチャーデザインにおける手描きに注目したデザインワークフローの提案」
  ・荒原:「e-sports映像のネット配信を考慮した速度変化演出の効果と特性」

 私、山本も初の外部発表に向け、発表資料の作成やMEL(Maya Embedded Language)を利用して開発した制作支援ツールの改良を行っていました。張り切っていた分、中止は残念ではありますが、発表そのものが完全になくなってしまったわけではなく、6/10(金)、11(土)に神奈川工科大学で開催される「NICOGRAPH International 2011」において、春季大会特別セッションとして発表が行われる予定になっています。ぜひ、この期間を利用して一層の品質向上を目指したいところです。
 芸術科学会 http://art-science.org/
 NICOGRAPH http://art-science.org/nicograph.html
 ★Poster,Demoの投稿が延長されています(5/20まで)


3. インタラクション2011&震災体験報告(山下)
 3月10-12日に開催されたインタラクション2011に参加しました。初日には「LovePress++:物理入力に感応する新しい恋愛シリアスゲームの提案」というタイトルでインタラクティブ発表を行いました。20秒の概要プレゼンの時点で会場の爆笑を誘い、実際にブースで体験していただいた方には「体験しないとわからないモノがある!」といった感想をいただき、好評でした。
 翌日の3月11日にもインタラクションに参加し、発表を見学したのですが、その会場で震災に遭遇しました。震災にあったのは未来館の7Fだったため非常に大きな揺れを感じました。インタラクション2日目ということで多くの方が同時に被災しましたが、未来館スタッフの方や白井先生の避難指示が的確だったため大きな混乱も起きず、近くの建物に避難しました。交通が動いていなかったこと、また余震が続いており津波の危険があったことから、その場所で一晩を過ごしました。TVがあったため情報は入手できたのですが、その場を動けない不安と余震の恐怖で眠れない夜を過ごしました。
 その翌日になり電車が動き出したことで何とか家に帰ることができたのですが、学会参加中に震災に合うという忘れることができない恐怖体験になりました。
 被災直後の映像 http://www.youtube.com/watch?v=fw-FMGnT_Yk


4. 震災の本当の姿(荒原-2011年3月卒業生)
 自分は実家である茨城県日立市(震度6強)に向かう途中の電車にて被災しました。電車は前方が脱線して横に倒れ、線路はくの字に曲がり、すぐそこには津波が押し寄せているという筆舌し尽くしがたい状況。いまこうして生きていることに深い意味を感じております。
 市全体としては、ライフラインが止まり、電波の状況も悪く、かろうじてネットは無事だったのでツイッターの情報を頼りに行動していました。日立の情報が入ってこないことと、暖が取れないこと、食糧の備蓄がどれくらいなのかが不明で迂闊に食事もとれない事に不安を抱きました。特に茨城は被災地でありながらテレビで扱われず、今騒がれている福島の原発や、東海村の原発に不安を感じていました。
 避難所では一番辛かったことは夜中の赤ちゃんの泣き声です。一人が泣き始めると連鎖して他の赤ちゃんが泣き始め、それに連鎖して小学生ぐらいまでの子供が泣き、全く眠れず、過労と睡眠不足で緊急搬送された方が非常に多かったです(私も日中の肉体労働をしながら3徹し、倒れかけました)。
 今(原稿執筆時3月末)は現地も大分落ち着き、元の生活を送るための準備をしている段階です。今では一部を除く全道路が通行可能となっており、ガソリンも関東では徐々に元の供給量に戻りつつあります。今後大変なのは、仕事先がなくなってしまった人が増え、これまで以上に就職が困難であることだと思います。
 被災地にいる就活生は、生きるために、復興のために、家族のために、必死で就職活動に励みます。関東の就活生も全力で取り組んで行かなければ、内定を獲得できません。感傷的になって手を止めず、常に行動する事が重要です。


5. 平成22年度 神奈川工科大学 情報学部情報メディア学科 成果発表会
   秋葉原UDXでのイベント中止

 震災の2日後に開催予定であり、この日に向けて参加者一同が一生懸命頑張っていたイベントでした。交通の混乱などもあり、安全を取って中止といたしましたが、大変に華やかなイベントになる予定でしたので、以下に開催プログラムを掲載させていただきます。
 http://www.shirai.la/topics/news/udx20110313

「平成22年度 神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科成果発表会」
【概要】
 例年学内で開催していた情報メディア学科「ゲームクリエイター特訓」および、学科の研究プロジェクトの成果展示・発表会を秋葉原UDXギャラリーにて3月13日に開催。

【目的】
 研究開発だけでなく、成果を広く周知するイベントの開催を通して、本学学生の表現力、コミュニケーション力の高い教育・研究成果を発信。また関連業界との交流を高め、将来の受験志望者への周知を向上をねらいます。

【プログラム】
 日時:3月13日(日) 12-18時 UDXギャラリー
 JR秋葉原駅 電気街口より徒歩2分 http://www.udx.jp/gallery/
 12:00 展示会「ゲームクリエイター特訓」および「デモ発表会」
  2-3年生を中心としたゲーム作品体験展示および研究成果展示発表
 14:00 開会の辞(佐藤教授)
 14:05 「文理融合・遠隔地連携プロジェクトによる『クラウド時代に向けたケータイアプリ』の開発」(速水研究室)
 14:20 文化庁メディア芸術人材育成事業「Sustanime成果報告シンポジウム」(白井研究室)
  iPhone/iPadを用いたデジタルポートフォリオ開発プロジェクト「Sustanime」に関連した
  短編アニメーション作家による、上映会(25分)およびパネルトーク
  パネリスト:早川貴泰、竹内泰人、新海岳人、加藤匠(情報工学専攻)、白井暁彦(准教授)
 15:30 基調講演
 「“鬼武者2”から“全天周映像 HAYABUSA –BACK TO THE EARTH-”まで」 (上坂浩光氏)
 16:30 「ゲームクリエイター特訓:学生プレゼンテーション」(深野暁雄 客員教授・尾形薫氏)
  発表5件(デモ含む口頭発表12分・質疑および入替3分)
 18:00 閉会の辞(速水学科長)
 19:00 懇親会

【ゲスト】(敬称略)
・上坂浩光
 (映画監督・CGクリエーター/"鬼武者2","HAYABUSA -BACK TO THE EARTH"監督)
 <上坂浩光氏・略歴>
イラストレーター、アニメーターなど手書きの映像制作を経歴の出発点とするが、
 CG黎明期のころから、独自に3Dソフトウェアーを開発し、CG映像制作を行ってきた。
 CM、ゲーム映像、大型映像、企業VPなど、その制作分野は多岐に渡る。
 子どもの頃から宇宙に憧れ、現在は、那須にリモート天文台を持つアマチュア天体写真家としても活躍。
・はやのん(理系漫画家/ニンテンドードリーム『すすめ!天任家族』)
・秋山 貴彦(映画監督/(株)4Dブレイン代表)
・三宅 陽一郎(ゲームエンジニア)
・松井 悠(「デジタルゲームの教科書」著者代表/(株)グルーブシンク代表取締役)

■プログラム詳細
文化庁メディア芸術人材育成事業「Sustanime」シンポジウム
上映会(25分):原佑太「The Frogs」(情報工学専攻) 4分、「Birthday」(半崎信朗)、「オオカミはブタを食べようと思った。」(竹内泰人)、CHEMISTRYミュージックビデオ「Period」(早川貴泰)、「山と人」(新海岳人)

パネルトーク:短編アニメーション作家と本学教員がデジタルポートフォリオ「SUSTANIME」について語る。 SUSTANIME、参加作家の紹介、短編アニメーション作家の現実の話、神奈川工科大学との関係性、連携などを織り交ぜながら。パネリスト:竹内泰人、新海岳人、早川貴泰、白井暁彦准教授

■発表詳細
★2010年度ゲームクリエイター特訓
 「いもうとてれびほーそーきょく」「DUST SHOOT」「Xemer」「Spy on the DELTA」「VENOM CRISIS」他

・速水研究室
「文理融合・遠隔地連携プロジェクトによる『クラウド時代に向けたケータイアプリ』の開発」
プロジェクト参加校:神奈川工科大学 情報メディア学科/はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科/専修大学 経営学部/函館工業高等専門学校 情報工学科
本学学生:竹渕瑛一/平木浩二朗/庄司諒平/成田真孝/濱口篤士/三角甫   指導教員:速水治夫

・白井研究室
「iPhone/iPadを用いたデジタルポートフォリオ『Sustanime』」加藤 匠(修士1年)、
http://www.sustani.me/
「マンガの世界にダイブできる実世界指向エンタテイメント『CartooNect』」岩楯翔仁、藤村 航、山下 泰介
「e-Sportsを盛り上げる格闘ゲームラジオ番組『KaitFightClub_in_UDX』生収録(仮)」 荒原一成 特別参加:松井悠氏、小原雅弘(Opaya)氏

・服部元史研究室
 3DCG静止画ポスター展示(深澤 雄一朗)
 2009年度ゲームクリエイター特訓:「MOBIC TOWER」「Cross World」「PARASITE EATER」「Project-D」他

・佐藤研究室
 「MR SPINTOP」(八木本 賢)
 「鉄騎でルンバ」 http://www.nicovideo.jp/watch/sm11345512

ご参加を希望されていた皆様、またの機会をお待ちください!


6. 白井研究室トレーニング(宮川・都筑)
 白井研は冬の1月~3月期において、新4年生のトレーニングを実施しました。就職活動・資格試験対策やネットメディアの使いこなし、そしてプログラミング。今年のトレーニングはWeb系プログラミング言語のPHPとMySQLを使ったWebデータベース構築を重点的に行いました。
 宮川 「PHPのトレーニングはなかなか難しくて苦労しましたがとても勉強になりました。一番苦労したのはMySQLとApachが正規に起動しなかったこと。それによってだいぶ遅れてしまいました。勉強の面ではセッションやクッキーなどの機能を組み合わせてサイトを作るのに苦労しました。基本ほとんどエラーだったのでちゃんと動いた時は嬉しかったです。頑張ります」
 都筑 「私は2月にPHPのトレーニングを、3月には就職活動を中心に行っていたのですが、研究室内で行ったグループディスカッションやディベートのトレーニングは非常にためになりました。主に私が受けた企業もグループディスカッションを行う場合は『新たな企画の提案』などが多く、その中でも開始前にしておくべき効率的な質問、序盤で割り振られる役割の位置の付き方など、おそらく一人では気付くことのできなかった点が数多くありました。4月からも就職活動と並行しつつ、学習や研究の方も進めて行きたいと考えています」


7. IT夢コン募集開始
 神奈川工科大学情報学部が「情報に関する“夢”を大募集します!」
 本コンテストは、中学・高校生を対象としたIT(情報技術)に対する“夢”を語るコンテストとして、ITやその利用に対する理解や興味を高めるとともに、創造力、問題発見能力、コミュニケーション能力を育てていきます。
 また、この度の大震災を踏まえ、 従来の「情報工学科部門」、「情報ネットワーク・コミュニケーション学科部門」、「情報メディア学科部門」に加え、「ITによる震災復興」の募集を開始いたします。
 主催:神奈川工科大学 情報学部 
 後援:神奈川県教育委員会、厚木市教育委員会、
(株)神奈川新聞、NTTサイバーコミュニケーション総合研究所
■開催概要
 全国の中学・高校生から、創造性、個性豊かな
 「IT(情報技術)に関する夢」を募集します!
 コンピュータがこの世に誕生してから約70年。コンピュータはめざましい進化を遂げました。特にハードウェアの進化はとても早く、かつての大部屋サイズの大型コンピュータと同じ能力が手のひらサイズで実現されています。そのおかげで、スマートでおしゃれなデザインの携帯端末、情報端末が次々と提案され販売されています。
 では、コンピュータやインターネットは本当に私たちの身近まで歩み寄ってくれているのでしょうか?まだまだ解決しなければならない課題がたくさんあるのではないでしょうか?インターネットやパソコンが日常的に使われている陰で、「情報弱者」とか「情報難民」と呼ばれる人々がいることもその証ではないでしょうか?
 小さいときから携帯電話やゲーム機を使いこなしてきた皆さんのような若い世代こそが、新たな使い方や未解決の問題に光を当て、社会をよりよくしてくれる救世主だと私たちは考えています。今こそ、大人たちの古くて固い頭では思いつかないような、未来のコンピュータやネットワーク、情報端末のあり方、利用方法や新たなゲームを考え出し、発信してみませんか ?

 神奈川工科大学情報学部はそういう皆さんに心からエールを送りたいと思い、「U18リケメン・リケジョのIT夢コンテスト(略称:IT夢コン2011)」を開催します。このコンテストが中学・高校生のみなさんが自分で考え、そして行動していくためのお手伝いとなることを願っています。若くて柔軟な発想を持っている皆さんからの多数の応募を期待しています。

■応募テーマ
 情報工学科部門
  新しい情報ビジネスモデルを提案してください。
  未来の情報端末の姿はどのようなものになっていると思いますか?
  より豊かな人生を歩むために情報技術が果たす役割を提案してください。
 情報ネットワーク・コミュニケーション学科部門
  環境にやさしい情報技術についてアイデアがありますか?
  あったら嬉しいWebサービスは何ですか?
  あなたの考える究極のセキュリティとは?
 情報メディア学科部門
  夢のゲームをどんなふうにつくり、世の中をどう変えますか?
  情報メディアで世界を救うアイデアはありますか?
  情報メディア技術であなたの夢を語ってください 。
 特別テーマ「ITによる震災復興」
 最終審査は7/23に神奈川工科大学メディアホールにてプレゼンテーション審査をおこないます。学長賞「Amazonギフト券5万円+記念品」をはじめ豪華賞品です。
 ご家族、知人など18歳未満ならどなたでも参加できます。
 締切は6月12日。奮ってご参加ください!
 http://kait.jp/yume
 ★本イベントのシステムは白井研究室が開発を担当しております。詳細は次号にて。


8. フランス「Laval Virtual」に挑む!(岩楯、藤村) 
・どんなイベント
 Laval Virtualは、フランスで13年の歴史を持つ欧州最大のVRコンベンションです。
 http://www.laval-virtual.org/
 2011の開催は4/6-10で、我々はそこで開催される、国際公募デモ展第7回Laval Virtual ReVolution (http://www.laval-virtual.org/#ReVolution)にて展示解説・プレゼンを行いました。
 ReVolutionに参加する日本からのプロジェクトは特に注目されており、最高のVRプロジェクトを讃える「Awards」でも毎年、数件のプロジェクトがトロフィーを受賞しています。
 2009年から実現した併催のVR国際会議「VRIC」プロシーディングへの採録に加え、今年は優秀作品に口頭発表の機会が与えられます。また話題のKINECTを使った革命的なプロジェクトを募集する「The French KINECTion」部門が設定されています。

・どんな作品
 「CartooNect」プロジェクトは、元々「自分が描いた漫画世界へと分身であるアバターを投入させて内部世界で自由に動き回る」という作品でした。行動認識によって発生するマンガ的な特殊エフェクトが見どころとなるはずでした。しかし、この震災と計画停電を受け、参加スタッフの心は完全に折れ、プロジェクトは完全に見直しを迫られました。現在進行中の災害の中で、楽しい作品を作る心の力が止まってしまったのです。
 そこで我々は考えました。無理をして楽しい作品を作るのではなく、シリアスでも、日本を応援するような作品は作れないかと。最終的に、荒廃してしまった大地にひまわりを育てる、育てたひまわりを襲ってくる自然災害から守るVRシリアスゲーム作品となりました。
 Kinectによるプレイヤの動作認識を利用して、しゃがんだり万歳をしたりといった決まった動作を行うことでひまわりが成長します。その成長したひまわりは内部世界に保存され大地が少しずつ彩を取り戻していきますが一筋縄にはいきません。浸食された大地をひまわりを植えて活性化させてください!
 
・フランスでやりたい事
 岩楯「海外の作品を見てくる。できれば技術的な事もわかれば尚良い。時間があればモンサンミッシェルを外からでも良いから見てみたい(道路潰す計画が始まる前なので)」
 藤村「初海外なので日本とどれだけ違うか、生活を通して体験したい。出典している作品から新たな技術や、発想を得たい。フランスパンがどれほど堅いか試したい」
★Laval Virtual体験記は白井研通信第12号に掲載予定です


9. 震災で再発見したネットメディア活用(北田)
・被災した岩手県に住む父方の祖母と親戚の住む地域の被害状況を得るためにGoogleリアルタイム検索(http://www.google.co.jp/realtime)を活用しました。
・Googleリアルタイム検索は検索キーワードやハッシュタグを元にリアルタイムでTwitterのツィート(発言)を検索してくれるGoogleの検索サービスの一つですが、今回の地震では地域名を入力することで被災地の方々や情報を知る方々からのツィートから被害状況や被害状況をまとめたレポートが書かれたブログ、避難者名簿などの情報があるwebサイトのURLなどの情報を入手することができました。現在は支援活動の状況、物資の要望リストなどの情報を入手することができます。ただ、Twitterによるデマ等の情報拡散の件もあるので注意が必要だと思います。
【付記・5月連休を超えて】
 その後、岩手県の実家や親戚宅の無事をGoogleMapsの写真更新で確認したそうです。地元の話では「ハザードマップの通りに被災した」とのことで、道路一本挟んで運命が分かれたりといったこともあったようです。


10. 「科学のひろば」開催
 5月21日、昨年好評だった「科学のひろば」にて発表します。
 開催時間:10時~15時
 開催場所:神奈川県立青少年センター
       横浜市西区紅葉ヶ丘9-1
 主催:神奈川県青少年センター・神奈川工科大学
 白井研は小坂研と、3Fにて新作展示を行う予定です。
 詳細はこのページに掲載します。
 http://www.shirai.la/topics/news/Kagakuno20110521


11. 震災に寄せて(白井先生)
 大震災から2カ月が経ちました。お亡くなりになった人々、家を失った人々などと違い、物理的なダメージのない人々にとっても、重く辛い日々でした。そして世の中が大きく変わっていきます。
 この「「白井研究室通信 第11号」は本来であれば3月末にそろっていた原稿であり、世間に向けて元気な学生の姿を発信したいと準備していたのですが、実際には、率いている白井自身が「カラ元気」もいいところで、毎日、緊急地震速報や原子炉の恐怖に(知識で対抗しても)怯える日々でした。
 このようなときに情報技術は、科学コミュニケーションは、何が役に立てるのでしょうか。学生と一生懸命考えました。計画停電が発せられた時には、みんなで記者会見の資料をテキスト化しました。同じような事を考えた人々は意外と近くにいらっしゃいました。情報メディア学科の速水研究室では計画停電情報API(http://mukku.org/)を開発した学生がいました。服部哲先生はITボランティアや地域のNPOと協力をすすめたり、津波によって流された写真の復元作業といった活動を続けられております。
 白井研究室はコンテンツ工学、全身空間指向のエンタテイメントシステム、「おもしろい」を理論化する研究室です。しかし、世の中が「面白いことを考えたくない」という状態になってしまい、大変無力さを味わいました。当の我々が未来館で被災し、さまざまな精神的ダメージを負ったことも影響があったと思います(311の瞬間、海外にいた人々とは明らかにマインドが変わってしまっています)。
 そんな中でのLaval Virtualの準備でしたので、フランスの友人からは「暁彦は何故、子供たちを連れてフランスにもどってこないんだ!」と何度も辛らつなメールを頂きました。悪気があって書いているのではなく、メディアなどでの映像を見て、真剣に心配しているのです。しかし、私は苦難の道であっても、子供たちと「日本人として乗り越える道」を選ぶ事にしました。私は(見ての通り)日本人一般も日本の政治家も大嫌いで欧州に生きていたのですが、どういうわけか「日本人としてのアイデンティティ」はそこに存在するのです。
 フランスでは、多くの人々に抱きしめられ、真剣に無事を祈られました。支援の言葉も沢山いただきました。そして私自身、多くの誤解を払しょくし、日仏の文化や産業交流の健全化に向けて、再び歩み寄りが始められるよう、Laval Virtualでの表彰式に置いて、声明を発させていただきました。
 【その時の動画】
 http://www.youtube.com/watch?v=8fCrOWZF0oA
 http://www.shirai.la/members/akihiko-shirai/20110311/forlavalvirtual
 ★日仏翻訳にご協力いただいたプラナス真美様、記録していただいた佐藤尚先生にこの場をお借りして感謝を記します。

 日本はこの後「面白い世の中」になることができるのでしょうか?私はできると信じています。
 しかしその為には「すぐ先の5年10年」を力強く支える若者たちを、立ち上がらせる必要があるでしょう。平和な日々を生きてきた彼らに、経済的にも物理的にも厳しい「現実世界」を突き付けるのは難しいことです。しかし「新しいエンタテイメントを作る」という行為は、いつの世の中だって、そうやって、現実世界を見据えた、夢の世界を実現してきたのではないでしょうか。そしてそれが反社会的ではない行為であるために、たくさんの貢献もしてきたのだと思います。
 震災の中で生まれた作品「CartooNect」は、人々が描いた風景に、ただヒマワリをたくさん咲かせるためだけのゲームです(とはいえ時代を先取りしていたようです http://t.co/NvHoT6R)。しかし、何もない状況以上に、人々は何かを描き、必要以上に体を動かすのです。外に出て遊ぶ事ができない、十分な運動ができない、そもそも体を動かす気にもなれない、そのような状況に、エンタテイメントシステムは見事に「モチベーション」を与えてくれたのです。そして、そのコンテンツが、若い学生に海外に飛び立たせるきっかけを与えたことも事実です。
 「日本を引き上げるために、世界に飛びたつ」
 これからもそのようなスタイルで活動を続けていきたいと思います。  白井暁彦


★編集後記★今月のテーマ:「震災前と震災後で変わったこと」
・(岩楯)挨拶の大切さ、家族や親しい人の存在の大切さを再認識しました。
・(匠)待機電力に対してはうるさくなりました。
・(荒原)また、お会いしましょう。
・(山本)羽毛布団のありがたみを日々実感しております。
・(北田)節電に努めるようになりました。
・(都筑)日々やり残したことはないかと振り返るようになりました。
・(山下)バッテリーは常にMAXに。


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 白井研究室では留学生交換や、企業・他大学との共同研究を積極的に行っていきます。
 また科学コミュニケーションや先端技術、エンタテイメント技術、コンテンツ工学に
 かかわる見学会も開催していきます。イベントやご提案、また本メールニュースへの
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