「白井研究室通信」 第23号/きょう、慶應(日吉)でお会いしましょう!(2012年9月14日発行)

posted Sep 13, 2012, 5:04 PM by Akihiko Shirai   [ updated Sep 13, 2012, 5:07 PM ]
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このメールニュースは、神奈川工科大学 白井暁彦または白井研究室の者と名刺交換等させていただいた方々にお送りさせていただいています。このメールニュースがご不要の際は http://j.mp/ShiraiLabSubsc より配信先の停止をご申請ください。
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残暑もまだまだ厳しい今日この頃、皆様如何がお過ごしでしょうか?
大学は後期の授業も始まり、徐々に秋の気配を迎えております。
白井研究室通信、今回は研究員・早川の編集でお送りいたします。


■--INDEX--■
1. CEDEC2012特集
1-1: ご来場ありがとうございました!
1-2: CEDEC2012学生視点での体験・いただいたご意見など(雷電)
1-3: CEDEC2012 Scritterデモ技術解説(白井)
2.第17回・日本VR学会大会にて3件+1件の発表
3.ECで発表(北田)
4. KAIT夢コン 夢コンとその配信について(鈴木)
5.オープンキャンパス(くにとみ)
6.SIGGRAPH2012レポート(なら)


1. CEDEC2012特集
1-1: ご来場ありがとうございました!
 神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 白井研究室は2012年8月20日(月)~8月22日(水)、パシフィコ横浜で開催された国内最大のゲーム開発者会議「CEDEC2012」において、多重化隠蔽映像に関するインタラクティブセッション(デモ展示)『3Dディスプレイと互換の多重化・隠蔽映像技術「Scritter」が拓く3Dコンテンツの未来』を発表いたしました。内容はScritter第2世代最終型ともえる2D+3Dハイブリッドシアター「2x3D」と、第3世代Scritter「ScritterGX」を同時展示いたしました。既存の3D技術の限界を超え、新しいゲームエクスペリエンスやプレイスタイルを考える上でのヒント、アイディア、実装テクニック、安全性や関連知財に関する情報を、先端のゲーム開発者のみなさまと実際のデモを交えて交流することができました。
http://cedec.cesa.or.jp/2012/program/INT/C12_P0205.html

1-2: CEDEC2012学生視点での体験・いただいたご意見など(B4 雷電(加藤))
 皆さんこんにちは!B4の加藤(雷電)です。先週の8/20~8/23にパシフィコ横浜で開催されたCEDEC2012に「Scritter」の展示の説明スタッフとして、20と21日の2日間参加してきました。会場では様々なゲーム会社の方や、他大学の先生、学生の方まで、色々な世代・職種の方に説明や解説を行い、好評を頂けました。ただ2Dと3Dの共存(2X3D)だけは調整不足で体験し辛いといった意見のある人や、体験できなかった方もいらっしゃったと思います。その点は次回のVR学会での展示・発表に向けてデータの蓄積とさせていただいております。展示スタッフとして以外にも、他のブースに見学に行ったり、白井先生のおかげで講演を何回か聞きにも行くことが出来、自分自身も楽しめる仕事ができました。 いろいろ経験させていただいた白井先生に、研究員の早川さん、院生の北田さん、小出さん、藤村さん、そしてブースを訪問して下さったゲーム開発者のみなさま、ありがとうございました。ご来場されたみなさまはぜひ、私の対応や解説についてのフィードバックをいただけますと幸いです。
【多重化隠蔽映像を体験された方へのアンケート】 http://j.mp/CEDEC2012Anq
 

1-3: CEDEC2012 Scritterデモ技術解説(白井)
『3Dディスプレイは「奥行き、飛び出し」だけの技術ではありません!』
というキーワードでCEDEC2012にて発表させていただきました。
CEDECでの発表はミドルウェア開発の時代、2001年以来です。
世界でも特に先端を走るソフトウェア開発者のコミュニティであるCEDECで発表させていただけることを楽しみにしておりました。今回の展示は、ひとつの背面投影スクリーンで2つの技術展示、合計4台のプロジェクターを使い、多重化隠蔽映像「Scritter」の最新のデモを工芸大の宮澤先生と用意いたしました。向かって右側で展示していた内容はScritter第2世代最終型ともえる2D+3Dハイブリッドシアター「2x3D」で、『裸眼で2D、片眼メガネをかけると3D』という新体験ができます。2x3DのアルゴリズムやGPUによるリアルタイム化については、またの機会にご紹介するとして、プロジェクタはNP-L50WJDというLEDによる小型DLPプロジェクタ2台で構成されています。
 [NP-L50WJD] http://www.nec-display.com/jp/projector/viewlight/l50wjd.html
 LEDランプによるプロジェクタの特徴はなんといっても熱が少ないこと、そしてランプ交換が不要であることです。このようなプロジェクタを使い、デジタルサイネージ的な構成を提案できたことも特筆すべきだと思います。特にCEDECのお客さんの中にはアーケードゲーム機、メダルゲーム機などの大型筐体の開発経験がある方もいらっしゃいました。このような案件において、LCDパネルは「焼きつく、壊れる」という劣化問題が常について回ります。最近では加えて「節電」といった要素も要求されるのですが、LEDプロジェクタはランプ交換も不要で、大変頼もしい選択肢であるということを発見していただきました。
 また同スクリーンの左側では、第3世代Scritter「ScritterGX」を展示いたしました。こちらのプロジェクタの詳細や、アルゴリズムについてはまだ実験的で未公開の内容が多く含まれており、詳細の情報については次の機会にお話させていただきたいと思います。
 重要なのは、「多重化隠蔽で3Dの歴史に”付加価値を加える”」ということで、既存の3D技術の限界を超え、新しいゲームエクスペリエンスやプレイスタイルを考える上でのヒント、アイディア、実装テクニック、安全性や関連知財に関する情報を、先端のゲーム開発者のみなさまと実際のデモを交えて交流すること、であると思います。右目映像と左目映像を複数のプレイヤーに割り当てたり、多言語・2D/3D互換ゲーム、マルチシナリオを構成したり…ゲームデベロッパならではの「多重化」という使い方で、新たなコンテンツの幅を想像できたか?という点だと思います。以前に私が思っていたよりも、より一層ゲーム開発者たちは「ゲーム機」という枠組みでのソフトウェア・エンジニアであるという傾向が強く、わかりやすく具体的な絵作りをもって提案するべきだという感想を持ちました。一方で「でもこれはスマートフォンのゲームには役に立たないよね?」というご意見は大変刺激に成る視点でした。我々の最新技術のひとつである「UbiCode」はまさにそれを実現する多重化隠蔽技術だからです。おっと、長くなってしまいました……これについても又の機会にお伝えしたいと思います!

【アンケートにご協力下さい】
CEDEC2012 多重化隠蔽映像の展示について、ご参加・体験された方へのアンケートを実施しています。
アンケートは数分で終わります。また、すべての項目は任意記入です。
頂いた情報は今後の研究に生かさせて頂きます。最後までご記入いただいた方には多重化隠蔽映像に関する技術資料(CEDECホームページ「CEDIL」にて掲示する予定のものに近いですが、若干のおまけも含まれています)を、メール経由でお届けします。よろしくご協力お願い致します。
【多重化隠蔽映像を体験された方へのアンケート】 http://j.mp/CEDEC2012Anq

2:第17回・日本VR学会大会にて3件+1件の発表
 9/12~14日(本日ですね!)まで慶應義塾大学(日吉)にて発表を行なっております。世界広しと言えども,バーチャルリアリティで学会を持っている国は,日本とフランスしかありません. (意外にもアメリカにはVR学会というコミュニティはないのです!)
 白井研としては毎年参加している日本VR学会大会ですが,今年は3件の口頭発表(「2x3D」、「UbiCode」、「日仏OS」)に加えて,1件の技術デモ展示「2x3D」,そしてKAIT夢プロ2012採択プロジェクト「瞬間少年○○創刊号」がIVRC東京予選大会出場+口頭発表となっています。
 詳細はこちら http://www.shirai.la/topics/news/VRSJ2012
■「2X3D」技術展示に寄せて(藤村)
 2X3D(ツーバイスリーディー)とは、2Dと3Dの映像を同時に視聴することができる3D技術です。3D映画などはとても魅力的できですが、3Dメガネをはずしてしまうと映像が重なって見えてしまい正しく視聴することができません。そこで裸眼の状態では片方の映像を隠蔽し2D映像として視聴でき、3Dメガネを掛けることで3D映像が視聴できるようにすればこの問題を解決することができるのではないかと考えました。
 これまで白井研究室で研究されていた多重化隠蔽技術「Scritter」の実用的な例として、様々な場所で展示を行ってきました。学会での発表は初なので気合を入れていきたいです。
 本日最終日にIVRC作品「瞬刊少年○○創刊号」と口頭発表、技術展示のトリプル発表です。会場でお会いしましょう!

3.EC2012で発表(北田)
 来月の9月28日(金)〜30日(日)に神戸大学六甲台キャンパスで開催されるエンタテインメントコンピューティング2012への応募と予稿の投稿を無事に終えることができました。こちらで発表させて頂く内容としましては、白井研究室通信第21号の記事 ”5.新潟県立自然科学館の夏の特別展のシステム開発” で取り上げた7月21日(土)〜9月2日(日)の間、新潟県立自然科学館で行われている夏の企画展「謎解きアドベンチャー『失われた紋章』」にて白井研究室が関わったシステム開発に関する内容を発表させていただきます。他に4年の奈良くんが「PARAOKE」、Kinectを使った、カラオケに並列するナチュラルダンスモーション認識について発表します。

■オーガナイズドセッション2: Entertainment Computing, BUT Art and Science
「RFIDとプロジェクションマッピングを活用した科学館向けエンタテイメントVR システム」
北田 大樹(神奈川工科大学)

■ショートプレゼンテーション: S3-02 & デモ・ショートプレゼンテーション3(9月29日 14:50-)
「カラオケに並列するダンスゲームのゲームデザインの提案」
 奈良 優斗,藤村 航,小出 雄空明,白井 暁彦(神奈川工科大学)


4. KAIT夢コン 夢コンとその配信について(鈴木)
 先月、8月4日に我が校で"IT夢コン2012"というイベントが行われました。
 IT夢コン2012とは、全国の中学生、高校生、高専生たちのフレッシュな感覚や視点で"IT(情報技術)に関する夢"を・、つまり「こんなものがあったらいいな。こんなことができたらいいな。それはITを使えばこんなかんじで実現できるかも!」を企画・提案してもらうという、神奈川工科大学が主催する、ITの高校生全国大会です。
 6月24日以前に全国の中学生、高校生、高専生たちの"夢"を公募し、その中でも素晴らしかったものを8月4日にプレゼンテーションしてもらいました。やはり、全国から選ばれたということもあり、どの”夢”も実用化されれば面白いと思えるものばかりでした。また、その”夢”がどのようにしたら実現可能かを生徒たちが自分たちで調べていたことに驚きました。
 発表当日の様子はUstreamで生放送を行い、私は映像配信の担当でした。
 生放送は、プロフェッショナルとしての仕事を要求されます。失敗は許されません。一週間!テスト配信を「問題がない」と思えるまで行いました。
しかし残念ながらそれでも当日に問題が発生しまいました。
 問題というのは、放送中に回線が何度も切れてしまうというものです。さらに、配信用のソフトがフリーズしてしまい、再びソフトを起動するまでの数分間放送ができない、ということも起こりました。加えて、ラグがひどかったり、PowerPointが途中で途切れてしまうという事態も起こりました。イベント自体はスムーズに進んだのでよかったですが、配信での問題は残念です。検証してみると、いくつか原因が浮かび上がってきました。万全の準備をしたと思ってもまだ足りない、もっとやることがあることを学びました。毎日が勉強です。高校生たちの情熱に負けていられないですね。

■KAIT夢コン2012(動画・写真等アーカイブを公開しています)
http://yumecon2012.ic.kanagawa-it.ac.jp/

5.オープンキャンパス(3年・國富)
 7月29日に行われた神奈川工科大学オープンキャンパスでの白井研究室は、白井先生による高校生向けの体験講義「Wiiリモコンで体験、ゲームの中のサイエンス」と各種展示を行いました!講義の後半では実際にUnityを使って簡単なゲームを作成し、展示では活動内容や製作途中のIVRC出展企画の展示、また講義のインターネット中継も行いました。
 私は上半期の白井研での活動報告をA0サイズのポスターで発表し、当日は講義のアシスタント役として初めてのコーディングに戸惑う高校生の皆さんのサポートに回りました。一方で前日の前準備では講義で使う全員分のソフトウェアインストールとWiiRemoteの設定を明け方4時頃まで行い眠気と過労でWiiリモコンの幻覚が見えたり…、そんな波乱のオープンキャンパスも無事終え、様々な意味でとても良い経験となりました。
 ■当日に使った最終型のUnityプロジェクト
https://www.dropbox.com/s/wh2dm70fspx39y2/BlockBreaker-final.zip
 ■使用したプレゼンテーションの一部
 「Wiiリモコンで体験!ゲームの中のサイエンス」
https://www.dropbox.com/s/0imehd57kztxui5/OC20120729v3.pdf
 こちらはUnityジャパン公式の「はじめてのUnity」がベースになっています。
 http://japan.unity3d.com/developer/document/tutorial/my-first-unity/
 公式ドキュメントは第1回分しかありませんので、今回のワークショップでこれに付け足したものとしては,
 1・ブロックの破壊
 2・パーティクルによる破壊エフェクト
 3・ブロックへのテクスチャ貼り付け
 4・ボールの破壊/生成
 5・効果音
 6・Wiiリモコンによる制御(外部プログラム)
…といった流れで完成しています.反響があれば後半も公開したいと思います。

6.SIGGRAPHレポート(奈良)
 8月5日から9日まで、アメリカのロサンゼルスでSIGGRAPH2012が開催されました!初海外、初国際会議ということでかなりの不安がありましたが、トラブルなどもなく無事に帰ってくる事ができました。
 世界から沢山の学生や企業が参加し、展示やセッションなど多くの技術を見てきました。また、多くの白井先生のお知り合いの方ともお話できる機会もあり、大変勉強になりました。
 SIGGRAPHなどの世界レベルの技術が集まる場所に参加できて本当に良かったと思います。次回のSIGGRAPHはアナハイムです。次は発表者として参加できるように頑張ります。


■編集後記 今月のテーマ「ひと夏の思い出」
・野営ゼミ( http://goo.gl/5QdXu )。グダグダだったけど久々に楽しかったと思う。(岩楯)
・SIGGRAPH&L.A.観光。自分の人生に確実に影響を与える夏だった。(奈良)
・横浜美術館の奈良美智展からCEDEC2012横のホールで開催されていた恐竜展に一日で行ったことです。恐竜展には化石の他、センサーで人を感知して息を吐き出したり、ブラシで掃除をすると感知して表情や鳴き声の変化が楽しめるなどのロボット恐竜が展示されており、普通の恐竜展とはまた違った楽しさがありました。帰りは近くの病院の屋上の喫茶店でみなとみらいの海を一望して帰ってきました。(雷電)
・エンタテインメントコンピューティング2012の予稿執筆の取材として、新潟県立自然科学館へ取材に行って来ました。開発に関わったシステムが稼働している様子と企画展の体験を通して感動し、通常は見ることのできない職員の方々のお仕事を見せていただき、大変勉強になりました。この場を借りて取材にご協力いただいた新潟県立自然科学館の職員の方々にお礼を申し上げます。また、駅周辺のお店で新潟名物のへぎそばとタレカツを堪能することもできました。(M1 北田)
・結婚して家族を持って十数年、初めて夏休みに第二の故郷Lavalに帰れたこと、です。フランス時代は「貧乏暇なし」で、地元の「乳製品ミュージアム」にも行けなかったし、レンタカーを借りる余裕もなかったし。滞在当時はなんでもないことがとても価値ある滞在でした。そして子供が大きくなったお陰で長年の夢だった「船でマイエンヌ川下り」が楽しめた! (白井)
・夏は、IT夢コンやCEDECの展示など、白井研究室でのお仕事を様々させていただきました。今年の4月から白井研究室でお世話になって、はや5か月が過ぎようとしています。4月から僕は、毎日朝5時に起き、筋トレをして出勤することを続けています。かつて朝が苦手だった自分がいまでは嘘のようです。白井研究室に勤務するまで、仕事に対して、社会人として、いろいろな甘さがありました。その結果様々な恩人に迷惑をかけたのが悔やまれます。白井研究室のおかげでそれを改善する機会をいただきました。もちろん、全て治ったわけではないですが、少しずつでも改善に向かえたのは誠にありがたいことです。夏の思い出というお題からずいぶん離れてる気もしますが、おかげさまで今年は充実した夏を過ごすことができました。今後とも精進したいです。(研究員 早川)
         早川貴泰HP  http://takahirohayakawa.com/


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白井研究室では留学生交換や、企業・他大学との共同研究、インターンシップを積極的に行っています。また科学コミュニケーションや先端技術、エンタテイメ ント技術、またマンガ・アニメ・キャラクターなどのポップカルチャーにかかわる見学会・交流会も開催したいと考えています。イベントやご提案、また本メー ルニュースへのお知らせなどの掲載希望などはこちらまでお気軽にお寄せください。
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