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論文投稿をして…

2017年2月22日 (開発者日記)

こんにちは。望月です。

本日は、決勝大会後から取り組んでいた論文執筆について報告も兼ねて書いていきます。
論文を書く目的として、以下のようなことを考えながら取り組みました。

  • 1年かけて学んできた技術をまとめる
  • プロジェクトの今後を整理する
  • 3年生のうちから技術文章の書き方について学ぶ

実際に書こうとしてみると、どう書き出していいかわからず、
IVRCの企画書を読み返したり、別の論文を見てみたりと、技術論文を書く以前に「言語化する」というところで心苦しい思いを沢山しました。
なので、今回はこういったところから、「私が思う3年生に送る論文の書き方」と称して、初の論文執筆でなかなか書けない人や、もしかしたら卒論で苦しんでる4年生の方がこのサイトを見て、少しでも助けになれば本望です。

まず、論文の構成としては、以下のようなものが良いと思います。

  1. モチベーション
  2. 先行研究
  3. 理論
  4. 実験
  5. 結果・考察
  6. おわりに

さらに1章ずつ噛み砕いていくと、

モチベーション

初めて書くときは、モチベーションと言われてもパッとしないのに加えて、Google先生に聞いても、「導入を書く」くらいのことしか出てこないと思いますが、ここで書くべきことは「君はなぜこの研究をしたの?」と質問されたときにあなたが答える回答を書く場所で、「こういう問題を解決したかったから」、「こういう作品があったら素敵だ」ということが書ければいいと思います。私たちの論文では、おそらく技術論文に相応しくないであろう「愛」について書いてあります。

先行研究

参考にした技術や類似の先行研究を書きます。私たちの作品はIVRC発ということもあり、同じくIVRC発であるYOTAROを先行研究として書かせて頂きました。また、ここでは、「先行研究ではこうであったが、私たちの研究ではこういうことが可能である」ということを明記する必要があると思います。

理論

こちらは、学んできたことのまとめになると思います。私たちの顔画像の技術を元に説明すると、「平均顔用意→顔画像の特徴点取得→若年化モーフィング」といったようなことを分かりやすく説明できれば良いと思います。

実験・実装

こちらでは、システム構成図を元に、作成したコンテンツやアプリケーションについて説明します。私たちの作品は、Live2Dを用いた顔の表情変化について、音・画像・触覚を用いたインタラクションについての2つ要素があるため、システム構成図を2つ用意して説明しております。理論で示した内容でなにを作ったのかというところを書くところだと思います。

結果・考察

こちらでは、実験から得られた結果を提示します。今回はIVRCやHEAT 5thといった展示を通して学んだこと、アンケート結果、今後このように発展させることができるだろうというところを書いています。

おわりに

ここは要旨と同じ内容が来ると思っています。今回の論文では、今後のプロジェクトの方向性として2つの柱を立てていたため、そのプロジェクト始動時に、その足掛かりとして役に立つような、先行研究としてこの論文が載るような記述で締めくくっています。

以上、ざっくりではありますが、私が冬、春休み返上で勤めていた論文執筆の成果になります。そして、書きあげた論文は声に出して読み、読みにくいところや、内容が飛躍したところなどを補完し、ブラッシュアップを重ねる作業が大切だと思います。
また、この論文は情報処理学会シンボジウム インタラクション2017、Laval Virtual 2017 (ReVolution,VRIC)で採択されており、展示・発表が決定しています。

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